|
2. 人類とヒゲ
●初期の歴史
人間の顔には、銅線に匹敵するほどの堅さと粘り強さを持った約25,000本の毛が生えており、それらは、一年間に125〜150mmという速さで伸びています。何千年もの間男性は、その頑固なヒゲと終わりなき戦いを続け、そして今でも男性は一生のうちの1,650時間以上をも、ヒゲ剃りに費やしているのです。
歴史的にみてみると、大昔古代エジプト人が、アゴヒゲや頭を剃っていたということが知られています。この風習は、白兵戦で敵に髪の毛をつかまれないための防衛手段として、アレキサンダー大王統治下の紀元前330年頃にはギリシャ人やローマ人の間にも広まっていきました。こうして、剃毛の風習が徐々に世界のほとんどの地域に浸透していくにつれて、毛を剃る習慣のない部族の男達は、毛を剃らない人間(unbarbered)という意味で「バーバリアン(Barbarian)」(野蛮人)と呼ばれるようになりました。
但し、脚やわきの下の毛を剃る女性の習慣というのは、ずっと後になってから普及したもので、これについては、後で述べることにしましょう。
大昔古代の人々は、石器、火打ち石、貝殻といった鋭利な物で毛をそっていました。その後しばらくすると、青銅、銅、鉄などで作られたカミソリが使用されるようになり、さらに時代が進むと、狩猟に使うのと同形の鋼鉄製の折りたたみ式カミソリ(ストレート・レザー)が使われるようになりました。何百年もの間、こうしたカミソリのデザインはナイフの形をしていたため、持ち主や理髪師は砥石や革砥を用いてカミソリを研磨する必要がありました。こうしたカミソリは、肌への切り傷を避けるのにかなりの熟練を必要としました。
|