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2018年11月、シック・ジャパン株式会社の
代表取締役社長に就任した村野一に、これからの
経営への思いやビジネスの展望について
インタビューしました。
Hajime Murano

シック・ジャパンの社長に就任した時の思いを教えてください。

シック・ジャパンは私にとって、これまでの経営経験を活かせるとともに、新たな挑戦がで
きるユニークで魅力的な会社だと思いました。国内ウェットシェービング分野でシックは現
在、男性用カミソリ50%、女性用カミソリ73%、男性用シェービング剤50%*というシェアを
もっています。一般消費財で、これほどにもお客様に支持されているブランドは他にあまり
聞いたことがありません。そしてシェービングというのは、人々が本当に必要としている生活
習慣です。人類は3万年前にもう、黒曜石を使ってヒゲを剃っていたそうです。そして紀元前
3千年には金属製のカミソリが作られています。また紀元前3百年、アレクサンダー大王が敵に
つかまれないように兵士たちにヒゲ剃りを命じたという話もあるんですよ。シェービングは人
類の文化とともに進化してきました。約100年前にヤコブ・シックがインジェクターを発
明し、それ以降もシックは技術革新を繰り返してきました。この流れは未来に向けてこれからも続いていきます。

国内のウェットシェービング市場をどのように見ていますか?

この分野のビジネスは非常に手堅い反面、これ以上の成長は難しいと考える人もいるでしょ
う。しかし、それは間違っています。例えば電気シェーバーのユーザーの多くは、ウェットシ
ェービングとスキンケアの組み合わせが肌にいいことを知らない。また女性の意識が高まっ
て除脱毛のニーズが増えている。このことからだけでも、まだまだマーケットは拡大可能と
いえます。ただしそのためには、単にモノを売るだけではだめですね。モノとソリューショ
ン、そしてコミュニケーションをセットにして提供することが必要です。本当のヒゲ剃り
の仕方を知っている人はいったいどれだけいるんだろう、という話です。

お客様のインサイトについてはどのように捉えるべきでしょうか?

ヒゲを全部剃る人もいれば、部分的に剃る人もいる。毎朝急いで剃る人もいれば、休日の楽
しみとしてゆっくりと剃る人など、実に様々ですよね。そういった習慣や趣向、ライフスタイ
ルの異なるお客様に寄り添っていくことが大切です。“1つの商品をみんなに売っていた時代”
は去りました。お客様それぞれに「これは俺にぴったりだ」と思ってもらえるような商品を提
供していかなければならない。カミソリを、お客様のこだわりや所有する喜びを満たす道具と
して提供することも我々の役割になってくるでしょう。例えばハンドル部分が竹や革でできて
いるといった製品です。何事もコンシューマーオリエンテッドな発想で、柔軟かつ積極的に行
動していく必要がありますね。

エッジウェルパーソナルケアの一員としての新たな取り組みは?

2015年からシック・ジャパンは、エッジウェルパーソナルケア・グローバル・ネットワークの
日本法人となって経営を強化しています。日本ではあまり知られていませんが、エッジウェ
ルは多様かつ高品質な商品を全世界に向けて販売しているんです。例えば、イギリスのメン
ズスキンケアのトップブランドBulldog Skincare for Men や、アメリカのメンズプレ
ミアム化粧品として高い人気を誇るJack Blackもそうです。さらに女性向けはもちろん、
乳幼児向け、日焼け止め、ペット用といった尖ったプロダクトも揃っています。そういった商
材を日本に導入していくことにも我々は挑戦していきます。

ビジネスパートナーとはどのように協業していきますか?

シックの日本での歴史を考えると、先輩方の成し遂げたことの大きさに敬服します。シック
は卸売業者様や小売店様と一体になって、日本中にネットワークを築いてきたのです。今後も
ビジネスパートナーの皆様を最大限に尊重し、一緒になってお客様の方向に向かっていく。そ
れは将来も変わることはありません。シックはコンパクトな会社ですから、ビジネスパートナ
ーとの強固な協力体制を維持していくことは本当に大事です。

これからシック・ジャパンに入社する方々に期待するのは?

シックの一員になるには、お客様志向で発想し行動できる人でなければいけません。それ
は、直接お客様にコンタクトしない部署でも例外ではありません。そして、自分で目標を立て
られる人、与えられた仕事をするだけではなく自発的に行動する人、部署の枠を超えて会社
に関わろうとする人材がほしいですね。実際、シックにはチャレンジが奨励されるDNAがあり
ますから、そういう人にとっては本当に面白い会社です。全社員で新しい商品やサービスを作
るという試みも進めています。部署を超えてアイデアを出し合い、その中から新たなヒット商
品を生み出したいですね。

*インテージSRI、全国全チャネル、2017年10月‐2018年9月、ウェットシェービングカテゴリー(男性用替刃式カミソリ+女性用替刃式カミソリ+使い捨て(除く軽便)+シェービング剤)の販売金額において

村 野 一

Hajime Murano
1962年、東京都生まれ。1985年、ソニー入社後、シンガ
ポール、インドネシア、タイ、ユーゴスラビア、ドイツなど
の勤務を経て、1994年にソニーハンガリーを設立し31歳で
当時最年少社長となる。ソニーメキシコ社長を務めた後、
全世界のコンスーマーエレクトロニクス部門のトランスフ
ォーメーションを指揮。リコーに移籍し、カメラ部門の
営業・マーケティング・商品企画などを統括。2015年、
ディアゴスティーニ・ジャパンに社長として入社し、アジ
ア代表を兼務。2018年11月、シック・ジャパンの代表
取締役社長に就任。