髭剃りで肌荒れすることがあるのはなぜ?正しいスキンケア方法を解説

#髭
髭剃りで肌荒れすることがあるのはなぜ?正しいスキンケア方法を解説

毎日の髭剃りで、ヒリつきや赤みなどの肌荒れを経験したことはありませんか。髭剃りで肌荒れが起こる理由としては、カミソリの刃の劣化や、髭剃り前後のケア不足などが考えられます。
この記事では、髭剃りで肌荒れが起こる理由や、肌を守るための正しいケア方法、日常で意識したいポイントを解説します。

 

 

髭剃りで肌荒れが起こる理由

髭剃りは男性の身だしなみを整えるために欠かせない習慣ですが、道具の状態やケアの方法によっては肌荒れを引き起こしかねません。ここでは、肌荒れが起こる主な理由を解説します。

 

カミソリの刃を交換していない

カミソリの刃を適切に交換せずに使うことは、肌荒れが起こる理由のひとつです。切れ味が落ちた刃に髭が引っ掛かりやすくなり、髭や肌が引っ張られることで肌荒れを招くことがあります。また、切れ味が悪いと同じ部分を何度も剃ることになるため、摩擦や刺激が増加して肌に負担をかけ、肌荒れを招くリスクが高まります。
毎日剃る場合は、2週間に1回程度を目安に刃を交換しましょう。

 

■カミソリの刃の拡大図

左)新しい刃 右)使用回数を超過して刃こぼれをした刃

 

シェービング剤を使用していない

髭剃りの際にシェービング剤を使用していないことも、肌荒れを起こす理由のひとつです。シェービング剤は刃滑りを良くし、刃と肌の摩擦を軽減する機能があるため、シェービング剤を使わないと刃と肌のあいだの摩擦が強くなり、肌への負担が大きくなります。
なお、石鹸で代用する方もいますが、石鹸には刃の滑りを良くする成分が含まれていないためおすすめできません。

 

髭剃り後の保湿が不足しやすい

髭剃り直後の肌は非常に乾燥しやすく、敏感な状態になっています。このときに保湿を怠ると、肌が乾燥し、外部刺激に弱くなって肌荒れが起こりやすくなります。剃った後は早めにスキンケアを行うことが、肌の健康を保つために欠かせません。

 

 

髭剃り後の肌荒れを防ぐ肌ケア方法

髭剃りによる肌荒れを防ぐためには、剃る前から剃った後までの一連のスキンケアが大切です。以下の方法を取り入れて、肌を守りながら清潔感のある仕上がりを目指しましょう。

 

髭剃り前に洗顔して肌を温める

髭剃り前にきちんと準備をすることが、肌トラブルの予防につながります。まず洗顔で皮脂や汚れを落とした後、蒸しタオルなどで肌を温めましょう。これにより髭と肌がやわらかくなり、カミソリの刃が引っ掛かりにくくなります。


シェービング剤を適切に使う

髭剃りの前には、シェービング剤を適切に塗ることも肌荒れを防ぐために大切です。シェービング剤を塗る際は、髭を覆うようにたっぷり塗ります。肌をしっかり見ながら剃りたい方は、透明感のあるジェルタイプを使うのがおすすめです。


髭剃り後にはたっぷり保湿する

髭剃り後の肌は、髭といっしょに古い角質も除去されるため、スキンケア成分が浸透しやすい状態です。このタイミングで美容液や化粧水を使い、その後に乳液やクリームで蓋をすると潤いが保たれます。

 

肌荒れに配慮した肌ケア用品を選ぶ

肌荒れしやすい方には、肌への刺激になりにくいアルコールフリーや無香料のスキンケア用品がおすすめです。また、肌荒れを防ぐためには、抗炎症成分配合で「カミソリ負けを防ぐ」という効能が書かれている医薬部外品のスキンケアを選ぶのもいいでしょう。日常の洗顔はぬるま湯でやさしく行い、タオルでこすらず押さえるように水分を取ることを意識してください。

 

髭剃りによる肌荒れを防ぐポイント

毎日のように行う髭剃りで肌荒れを防ぐには、道具や剃り方、頻度などの工夫が欠かせません。ここでは、肌を守りながらきれいに剃るためのポイントをご紹介します。

 

カミソリを清潔に保つ

カミソリは使用するたびに流水でしっかりと洗い、刃に残った髭やシェービング剤を取り除きましょう。洗った後は、ティッシュなどで拭き取ると刃こぼれなどの可能性があるため、拭かずに自然乾燥させるのがおすすめです。さらに、湿気の多い場所に放置するとサビや雑菌の繁殖が進むため、保管場所にも注意が必要です。お風呂場などに放置することは避け、湿度の低い室内で安全に保管してください。

カミソリの切れ味が落ちたと感じたら、早めに刃を交換することをおすすめします。目安としては、毎日剃る場合で2週間に1回程度の交換が適切です。

 

毛の流れに沿って剃る

髭を剃る際は、原則として毛の流れに沿って剃る「順剃り」で行います。毛の流れに逆らって剃る「逆剃り」は、深剃りはできますが毛の抵抗が起こり、肌に負担をかけてしまうため、必要な箇所だけにとどめてください。最初は順剃りで全体を剃り、どうしても剃り残してしまう箇所だけ逆剃りを行うのがおすすめです。


適切な頻度で剃る

頻繁に髭剃りをすると肌への負担が大きくなるため、適切な頻度を心掛けましょう。肌が弱い方は毎日剃らず、1~2日置きにするなど頻度を調整すると、肌への負担を軽減できます。髭を伸ばすことができる環境であれば、髭を伸ばすのも一案です。


肌荒れが続くなら皮膚科の受診も検討

セルフケアを続けても肌荒れが改善しない場合は、皮膚科の受診をおすすめします。自己判断で処置を続けると、症状が悪化するかもしれません。受診することで、専門医による適切な治療を受けたり、スキンケア方法のアドバイスを受けたりすることができます。

 

髭剃り後の肌荒れを防いで快適な毎日を過ごそう


髭剃りによる肌荒れは、刃の状態や剃り方、スキンケアの不足などによって起こることがあります。カミソリの刃を清潔に保ち、毛の流れに沿って剃ること、そして髭剃り前後のスキンケアを欠かさないことが基本です。スキンケア用品を選ぶ際には、自分の肌質に合ったものを選ぶことも大切です。
日々の髭剃り習慣を見直し、肌にやさしいケアを取り入れて、清潔感のある快適な毎日を手に入れましょう。

 

 

教えてくれたのはこの先生!

上嶋祐太先生

新宿駅前うわじま皮膚科 院長。浜松医科大学卒。日本皮膚科学会専門医・指導医、認定産業医。東京大学医学部附属病院、東京警察病院、東京逓信病院の皮膚科にて研鑽を積み、形成外科のキャリアを併せ持つ。赤ら顔・血管腫治療のブイビームレーザーや、ほくろ除去、粉瘤(ふんりゅう)のくり抜き法など、手術経験は数万例に及び豊富。保険診療、美容医療のほか、スキンケアから個々に合った最適なカスタマイズ治療を得意とする。